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晋平太 講演会講師インタビュー

東京・新宿に生まれ、6歳から埼玉・狭山で育ったラッパーの晋平太氏。音源制作をしながら、MCバトルの大会にも数多く出場し、実力派人気ラッパーとしての立場を確立してきた。伝統ある「B-BOY PARK MC BATTLE」、日本最大規模「ULTIMATE MC BATTLE」の両大会で優勝経験のあるラッパーは晋平太氏が史上初。2017年には『フリースタイルダンジョン』(テレビ朝日系)で史上初の全ステージクリアを達成。現在は音源制作や自身のYouTubeを配信することを軸に、ヒップホップの普及にも尽力している。講演依頼Speakers.jpの講演会でも人気の晋平太氏に自他ともに認めるヒップホップへの愛情の深さに迫った。

(text:高田晶子、photo:遠藤貴也)

日本語ラップの隆盛とMCバトルの認知UP

――晋平太さんのラップとの出会いを教えてください。

晋平太 僕は中学受験をして、東京の私立中学に入ったのですが、中2のときにラップが好きな友達がいて『さんピンCAMP』というヒップホップイベントのビデオを見せてもらったんです。そのイベントには、ZEEBRAさんやRHYMESTARさんやBUDDHA BRANDさんなど当時のヒップホップ界を牽引していたアーティストが集結していました。それで、「ラッパーってかっこいい!」と思ったんですよ。

それから簡単なラップの作り方を教えてもらって、すぐに自分でラップを書いてみたんです。向き不向きはあるかと思いますが、僕は向いていた。「ラップやれそうだな」って思いました。そして大学時代にはクラブに行き、MCバトルに出会ってライブをやるようになり、大会に出るようになりました。

 

――現在40歳の晋平太さんがラップを始めた約25年前は、DRAGON ASH、RIP SLYME、KICK THE CAN CREW、ケツメイシなど、日本語ラップを歌うアーティストがメジャーになった時代ですね。

晋平太 ちょうど僕が高校生くらいの時に日本のヒップホップがメジャーになったタイミングでした。KICK THE CAN CREWのKREVAくんも小さなクラブでライブをしていたり、MCバトルの大会で優勝したりしていたのが、一気に紅白歌合戦に出場するまでになりました。それでヒップホップが世の中に広く認知されるようになり、B-BOYファッションも人気になりました。その一方で、よりハードコアなヒップホップジャンルもあったりして、熱くて面白い時代でしたね。

 

――大学を卒業してからも就職せず、ラップの活動を続けられました。音楽1本で食べていけるようになるまでは大変でしたか?

晋平太 20代はラーメン屋や郵便局でバイトをしながら、音源を制作、ライブやイベントに出るという生活を繰り返していました。音楽1本で食べられるようになったのは、30代になってからです。「若い頃の苦労は買ってでもしろ」と言いますが、若い頃って貧乏でもそんなに辛くないんですよ。とにかくラップを続けたかったし、楽しかった記憶ばかりですね。

昔は今よりラッパーの数も少なかったと思いますし、売れるチャンスも少なかったと思います。CDやレコードが売れるか、週末にライブに出るくらいしか、メイクマネーの方法がなかったんです。今では僕みたいなラッパーが学校や企業の講演会に呼ばれるようになりましたが、それって世の中にヒップホップが広まっている証拠ですよね。最近はYouTube配信などでヒップホップを通じた社会貢献もできるようにもなりました。今でもプロのラッパーになるのは険しい道ではありますが、『フリースタイルダンジョン』や『高校生ラップバトル選手権』などでMCバトルが爆発的に人気になったことで、間違いなくヒップホップの認知度が上がり、裾野が広がったと思います。僕が20年以上ラップを続けてこられたこと自体、とても幸運なことだと思っています。

 

ヒップホップのマインドは多くの人にも役立つ

――晋平太さんのブレイクのきっかけは?

晋平太 いやー、まだブレイクしていないんですけどね(笑)。とはいえ、やっぱり『フリースタイルダンジョン』で全ステージを制覇したのが大きかったのかもしれませんね。『フリースタイルダンジョン』を見て、僕を知ってくれた人っていまだにめちゃくちゃ多いですからね。

あと、YouTubeを始めたことも相乗効果があったのかもしれません。それだけラップに興味を持っている人が多いんです。ヒップホップに携わる僕たちにとっては当たり前だと思っていたこと、今更言う必要があるのかということでも、ヒップホップやフリースタイルが認知され始めた今だからこそ、僕が直接伝えることが必要なんじゃないのかなと思っています。

 

――具体的にはどんなことを伝えたいと思っているのですか?

晋平太 まず、ヒップホップってラップだけのことを指し示す言葉ではありません。DJ、ブレイキン(ダンス)、グラフィティ(アート)、ファッションなど、いろいろな要素があるなかで、ヒップホップは音楽ジャンルのひとつではなく、カルチャーなんです。

そして、ヒップホップの考え方の基本はPEACE、UNITY、LOVE、HAVE FUN。平和に団結して、愛し合って楽しむという意味です。この考え方は、学校や企業などでの人間関係や自分の日々の生活や人生観など、ヒップホップ関係者以外の人たちにも通じていると思うんです。この考え方を心に留めておけば、大抵のことは乗り越えられるし、幸せになれる気がするんです。僕自身もヒップホップのマインドに助けられていますし、僕以外の人の助けになることもあると思います。こうしたヒップホップの本質を知ってもらえたら嬉しいし、多くの人にヒップホップの考え方を広めていきたいですね。

 

「8小節の自己紹介ラップ」で実践を!

――晋平太さんが講演会をするようになったきっかけを教えてください。

晋平太 僕はMCバトルの大会「ULTIMATE MC BATTLE」で司会をやっていたのですが、全国予選の各地で「ラップをやってみたい」「どうやったらラップができるの?」などとよく聞かれるようになったんです。それが2016年くらいで、大会が始まる前の時間を使って、簡単なラップの作り方を教えるラップ講座のようなことをやっていたんです。僕はラップを楽しむきっかけになればと思って始めたのですが、当時はラップを教える人自体が珍しかったらしく、気が付いたら学校関係者や企業の人が呼んでくれました。

 

――講演会ではどのようなことを話しているのですか?

晋平太 僕は韻の踏み方やラップの技術を教えているわけでも、ヒップホッパーとして生きる術を教えているわけでもなんでもなくて、講演会で講師としては、最初にヒップホップが始まった歴史や考え方をまず話します。そのうえで、僕はラップしか教えられないので、「8小節の自己紹介ラップ」を講演会に参加している皆さんに作ってもらいます。

①自分の名前、②自分のレペゼン(どこから来た誰なのか)、③自分の趣味・特技、④自分の夢。この4つの要素でラップを作るんです。例えば、僕だと「俺の名前は晋平太」「レペゼンは埼玉の狭山」「趣味も特技もフリースタイル」「夢は1億総ラッパー化計画」。これでもう4小節のラップができる。この①~④に、それぞれ説明を付け加えれば8小節のラップになるんです。「俺の名前は晋平太、ラップは俺の人生だ」「レペゼンは埼玉の狭山、駅前には茶畑しかない田舎」「趣味も特技もフリースタイル、他のことするの無理」「夢は1億総ラッパー化計画、日本中に増やすカッケー奴」。ラップの基本は2小節で1セット、MCバトルなどでも8小節で1ターンなんです。

 

――こうしたフォーマットがあると、それを埋めるのは簡単そうですね。

晋平太 小学生でも中学生でも、誰でもできるんですよ。正解もないし、誰一人同じラップになることはない。ラップは自己表現のひとつですが、何を言ってもOKな雰囲気があるので、さらけ出しやすいんです。普段言えないことが言えるので、より自分の本質が伝わりやすい。

人と違うポイントが恥ずかしかったり引け目に思うこともあるかもしれませんが、ラップやヒップホップでは人と違うポイントがあるって財産なんです。今、僕は視覚障がい者の方にラップを教えているのですが、その方々の日常や感じていることって、言葉にしてもらわないと視覚障害がない人たちには知り得えないこと。それだけでラップのトピックになるんです。人と違うことが武器になり、自信にも繋がる。自分を見つめてアウトプットして、ビートに合わせて人前で歌い、リアクションが返ってくる。なかなかできない経験だと思いますよ。

 

――晋平太さんが講演会を通じて伝えたいことは?

晋平太 ラップは自分で作って自分で歌うので、他の誰かのせいにできません。学校だろうが会社だろうが、自分でやったことの責任を持つことは大事なことですよね。その意識は薄れやすいし、そんなことを考えていない人も世の中にはたくさんいるでしょう。でも、ラップをすることで自覚できますし、自分の人生は自分が主人公だと気が付けます。そして相手も同じく相手の人生の主人公だから、お互いリスペクトし合って生きていこうよということを伝えたいですね。

また、ラップは老若男女問わず、誰でもできます。僕の講演は、僕が喋っている時間も多少はありますけど、ほとんど「みんなが自分を見つめ直す時間」と、「それをパフォームする時間」です。一方的に講師の人が壇上で喋って、それを聞くという講演会じゃありません。自分で考えながらやってみる講演会なので、新しい形だと思います。ぜひ多くの方に参加して聞いていただいて、感じていただきたいですね。

 

 

 

 

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